東京電力と直接交渉するときの3つの注意

2011-09-14

千葉県被災者弁護団準備会
弁護士 秋元 理匡

被災者の中には、まずは自分で交渉してみようという方も少なくないと思います。そのときに、どのように交渉に臨むべきか、注意するポイントを3つだけあげてみました。

1 「東京電力と被災者との間には債権債務はない」という条項には注意してください。

このような条項を清算条項といいます。いったん和解書を交わしたら、それ以降はもう互いに請求もできなくなるという意味です。あとで分かった事情があったら覆すことができる例外的なこともないわけではありませんが、とても困難です。事故が収束していない現段階では、まだまだ損害が拡大し続ける危険もあります。このような条項を盛り込める場合は殆どないのではないかと思われます。

2 いつからいつまでの、どんな損害が対象になっているのか注意してください。

上に書いたように、現段階では全面的な解決は困難なことが多いでしょうから、いつからいつまでの、どんな損害が賠償されようとしているのか、よく確認してください。資料に基づいてきちんと計算されているか、被災者自身の実感に照らして納得のいかない減額がされていないか、よく確認してください。清算条項がなくても、受け取ってしまえば、その費目については支払済みという扱いがされる可能性があります。あとで後悔しないように、丁寧に確認しましょう。

3 一つ一つの判断はジックリ考えてから。その場で結論を出そうと思わないでください。

東京電力には、今、大量の損害賠償請求が集まってきていて、いわば被害実態をいちばん把握しているのは東京電力自身といってもおかしくない状況にあります。

そして、現に仮払金の処理で経験も積んできました。これに対して、ひとりひとりの被災者の方は誰も初めてのことで戸惑い、困惑しているだろうと思います。

損害賠償って何?というところから始まる方も大勢いらっしゃるでしょう。

要するに、東京電力とひとりひとりの被災者との間には交渉力の大きな較差があるのです。

ですから、自分で交渉をする場合には、後で取り返しのつかないことにならないように、ひとつひとつの場面でよく考えて行動するようにしてください。

東京電力の担当者は色んなことを言うと思います。でも、被災者の立場でよく考えてみたら、後で「アレ?あれでよかったのかな」と思うことも出てくるかもしれません。

そのときに「ちょっと待って。」と言えるように、「結論はその場で出さない」ということを大切にしてください。これは最終的に金額を決める段階だけでなく、どんな資料に基づいてどんな計算をするのかという、交渉の一つ一つの段階であてはまることです。

そこでの判断で困ったら、弁護団または最寄の弁護士会に問い合わせるといいと思います。

 

 

 

 

 

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