「東京電力(株)が賠償すべき損害」についての中間指針

2011-08-14

文部科学省に設けられた原子力損害賠償紛争審査会は、東京電力(株)福島原子力発電所事故による被害者と東京電力株式会社との損害賠償に関する円滑な話し合いと合意形成のため、平成23年8月5日、「東京電力(株)が賠償すべき損害」についての中間指針を示しています。

 

原子力損害の判定等に関する中間指針の概要  (PDF:921KB)

<詳細版はこちら>(平成23年8月5日)

文科省内 原子力損害賠償紛争審査会のホームページはこちらです。

 

このパンフレットには、中間指針に基づいて、事故の被害者の方々の代表的な損害の類型毎に、それぞれの方がどのような賠償を受けることができるかがわかりやすくまとめられています。

これに対して、日本弁護士連合会(日弁連)では、以下の通り意見書を8月17日付けで取りまとめ、同日付けで文部科学大臣宛てに提出しています。

 

意見書の趣旨

1 「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」において「中間指針に明記されない個別の 損害が賠償されないということのないよう留意されることが必要である。東京電力株式会社に対しては、中間指針で明記された損害についてはもちろん、明記さ れなかった原子力損害も含め、多数の被害者への賠償が可能となるような体制を早急に整えた上で、迅速、公平かつ適正な賠償を行うことを期待する。」(同2 頁)とされた点に関係者は留意し、今後の損害賠償にあたるべきである。

 

2 精神的損害については、精神的苦痛(生命・身体的損害を伴わないものに限る。)による損害のみならず、生活費の増加分も一括して算定され、原則とし て、別個に請求することはできないとされていることを考えると、全体として金額が少なく、より高い金額が認められるべきであり、まして、6か月経過後は減 額することが正当とは思われない。

 

3 避難者の生活費増加について、すべてが精神的損害と一括されるのではなく、避難に伴い、家族や地域社会が分断させられたために一人当たり月1万円以上増加した携帯電話代や交通費などについては、「高額の生活費の増加」として、精神的損害とは別に賠償されるべきである。

 

4 緊急時避難準備区域で生活していた場合(避難をせずに、あるいは戻ってきて暮らしている場合)、屋内退避時から合わせて、総額で10万円という精神的 損害額は、その日常生活上の支障や不安等を考慮し、生活費の増加分も一括して算定されることを考え合わせると金額が少なすぎ、より高い金額が認められるべ きである。

 

5 第二次指針追補が決定、公表された平成23年6月20日以降に緊急時避難準備区域内から区域外に避難を開始した者は、「子供、妊婦、要介護者、入院患 者等以外の者」について、「避難指示等により避難等を余儀なくされた者」とはいえず避難等対象者に該当しないとするのは合理性がなく、平成23年6月20 日以降に緊急時避難準備区域内から区域外に避難を開始した者についても、「避難指示等により避難等を余儀なくされた者」とすべきである。

 

6 東京電力福島第一原子力発電所事故に起因する固定資産税・住民税等の地方公共団体等の税収の減少についても損害賠償の対象とされるべきである。



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